高野圭吾さんの絵画を手に入れた。 高野さんは、シャンソンの訳詞家にして歌手、そして東郷青児のもとで絵を学んだ画家としても活躍された。 この作品は、高野さんと交流があったシャンソンファンの方が急逝され、ご遺族様やゆかりのあった方々がご相談され…
土岐雄一郎さんと「六味唐辛子」 土岐雄一郎さんといえば、シャンソンのピアニストとして知られている。昨年亡くなった藤田順弘さんが「伴奏は、土岐さんと綾部肇さんが良かった」と語っていたのを思い出す。また、全音楽譜出版社から刊行されている楽譜集『…
Barタートルヘッズに於ける、蜂鳥あみ太=4号さんのライブを鑑賞した。 退廃美の画家、ピエール・モリニエを彷彿とさせる、全身網タイツ姿でシャンソンを歌う蜂鳥さんのステージに、私はいつもシビれてしまう。それは、蜂鳥さんのパフォーマンスの豊かさゆえ…
昨日訃報に接した山上悦男さんを、私は舞台照明家として存じ上げていた。本日、『シャンソンマガジン』編集長の山下直樹さんが、山上さんが生前執筆した寄稿文を投稿され、それを通じて氏の経歴を知るに至った。 高校卒業後に、舞台照明の研究生になり、それ…
「八田朋子さんのライブに行く」 苫小牧のシャンソニエ「カプリス」にご出演の八田朋子さんのステージを観覧する。 八田さんのステージを観たのは、コロナ禍のさなかに銀座のシャンソニエ「蛙たち」がはじめたライブ配信がきっかけであった。「蛙たち」では…
このたび、『シャンソンマガジン 2023年秋号』(歌う!奏でる!プロジェクト)内の、「追悼 堀内環様CD紹介」に寄稿しました。執筆しながら、昨年逝去されたシャンソン歌手・堀内環様の深い魅力を改めて感じた次第です。マガジン付属のプレミアムCDには、堀内…
戦時下のシャンソンのレコード 太平洋戦争中の昭和17年9月、ディック・ミネが、「三根耕一」の日本名でシャンソンのレコードを2枚吹き込んでいたことを知り、驚いた。 ・『巴里の屋根の下/巴里祭』(テイチク.T3363)・『プレジャンの舟唄/マドロスの唄(イ…
上野「Qui」における、花田和子様とご門下生のステージを観覧する。 先日、花田様は歌手生活60周年を迎えられた。ステージで歌われる花田様を拝見していると、目の前に桜吹雪が舞い散る幻影が脳裏に浮かんでくる。ピンク色の花びらが風に散る様は美しい。そ…
ダミア来日公演に関わる、新資料を入手した。 シャンソン歌手のダミアは、昭和28年4月28日に来日し、5月3日より東京をはじめとする6都府県で『フランスのシャンソンはダミアとともに』というコンサートツアーを行っている。そして、5月25日から27日にかけて…
『あべっく・る・たん』という雑誌 数年前、札幌のシャンソニエには『プチるたん』という冊子が置いてあった。全国のシャンソニエの店名と住所、1ヶ月の出演者のスケジュールが掲載されているもので、これを読みながら当時の私には異国の地だった遠い本州を…
札幌グラウンドホテル「オールド・サルーン」における、島本弘子様と大平信幸様のライブを観覧した。 島本様はサロンの客席を歩きながら登場し、ステージでも高らかに歌い上げられた。この華やかさは、グラスのなかで踊るワインのようだ。島本様のプログラム…
その方が楽屋からステージに姿を見せたときには、花びらが舞い込んできたと思った。 新宿「シャンパーニュ」における、二宮眞知子様のステージ。赤いワンピースの二宮様は、まさに花であった。二宮様は、ワンステージで5曲ずつ歌われたが、荻窪「リラ」での…
その方が楽屋からステージに現れたとき、小さなお姿に驚いた。ゆっくりとマイクスタンドまで歩まれ、ピアノにもたれてお顔をあげたとき、その眼光の鋭さに居抜かれた。 大阪ベコーにおける出口美保様のステージを、長年の念願叶って観覧した。出口様のシャン…
「日本最初のシャンソンの楽譜集」 日本最初のシャンソンの楽譜集は、昭和13年に倉重瞬輔(舜介)さんが編集した『シャンソン・アルバム』(シンフォニー楽譜)だと言われています。これは、菊村紀彦さんの本『ニッポン・シャンソンの歴史』のなかに、次のように…
「なぜ日本のシャンソン歌手は、カンツォーネを歌うのか」 日本の音楽史のなかで「カンツォーネ元年」を決めるとすれば、1958年(昭和33年)らしい。この年、イタリアの流行歌にしてサンレモ音楽祭の入賞曲「ヴォラーレ」(ドメニコ・モドゥーニョ)が、アメリカ…
2023年3月31日、上野「Qui」にて催された「中村力と「五人の美魔女」」の昼公演を観賞した。なお、槇小奈帆様はご事情があり欠席され、四人の美魔女のステージであった。 強行の日帰り旅行に加えて、突然の飛行機遅延などのトラブルに見舞われ、主催者様にご…
12月29日「シャンソンの日」に寄せて シャンソン歌手の深江ゆか様の御芳書『Adieu銀巴里~歌いつづけて~』(ゴマブックス株式会社)を、拝読しました。深江様の歌い手としての半生が、銀座7丁目にあったシャンソン喫茶「銀巴里」(1951~90年)の歩みとともに…
悼 堀内環様 10月24日、シャンソン歌手の堀内環様が亡くなられたという。私は、氏の生前のステージを拝見することは叶わなかった。だが、手持ちのCDアルバムを見ると、フランス民謡から、「辻馬車」などの戦前のシャンソン、さらには戦後のジャック・ブレル…
悼 藤田順弘氏 世の中には、ありとあらゆる残酷さに溢れている。例えば、戦争はもちろん、差別や迫害、身近なところでは突然の余命宣告など、挙げればきりがない。こういった残酷さを楽曲として歌うとすれば、思想的になったり、啓蒙的になったりするかもし…
シャンソン歌手はドイツ・カバレットソングを歌うか 「Cabaret Song Night」於・神戸「サンジャン」を鑑賞しました。 これは、第一次世界大戦後からナチスドイツ成立までの、1920~40年代にドイツで活躍した作曲家の楽曲を特集したコンセプトライブでした。…
札幌在住の三神恵爾様が発行する個人文芸誌『がいこつ亭 109号』に寄稿しました。今回は、佐賀県唐津市で観た青木繁の絵画や唐津焼の古い器について書きました。よろしければ御高覧ください。 誌面では、三神様の掌編「目の森」が、とても印象的でした。森の…
クルト・ヴァイルの本 最近、ドイツの作曲家クルト・ヴァイルに関する本を立て続けに読みました。日本のシャンソン歌手のなかには、彼の楽曲をレパートリーにする方が見受けられますが、私は彼のことを何も知らなかったからです。 岩淵達治、早崎えりな『ク…
井関真人ゑがく、その美の世界 10月10日(月)、札幌のパークホテルで開かれた「ブーケ・ド・シャンソン」というディナーショーに伺いました。私は受付係でしたが、無理を言って、トリをつとめられた井関真人さんのステージを拝見させていただきました。 井関…
シャンソン歌手の故・石井好子さんの生誕100年を記念するCDアルバム「フランス こどものうた」(キングレコード.2200円)を聴きました。 こちらには、フランスの童謡をはじめ、シャンソンを子供向けの内容の歌詞に仕立てた楽曲が収録されています。石井好子さ…
興味深いカセットテープを見つけました。『ブーケ・ド・シャンソン 愛の讃歌/枯葉』 (CBS/SONY 1994年)こちらのテープは、1985年12月12日に神奈川県民大ホールで開かれた「シャンソン・ア・神奈川」(主催・大庭音楽事務所)の音源が収録されています。 さす…
薔薇色のランナー 伊東はじめさんのコンサート映像昨年開催のシャンソン歌手・伊東はじめさんの55周年記念コンサートのDVDを購入させて頂きました。かねてより私は、伊東はじめさんのコンサートのCDやYouTubeでの動画を通じて、そのステージに魅了されており…
『シャンソンマガジン 2022年秋号』が発売されました。 Singer hiromiさんの「北のパリ祭」の寄稿に併せて、私の拙文も掲載して頂きました。 よろしければ、御高覧ください。特集のクレール・エルジエール(Claire Elzière.1971-)は、現役のフランスの女性歌…
札幌在住の三神恵爾様が発行する個人文芸誌 『がいこつ亭 108号』 に寄稿しました。「歌謡と侵略ー和製シャンソンとしての「支那の夜」」渡辺はま子さんの戦前のヒット曲「支那の夜」は、フランスのシャンソンをもとに作られたという内容です。最近は、シャ…
戦時下の手風琴円舞曲太平洋戦争中、日本には「ニッチク」というレコード会社が存在した。 これは、「コロムビアレコード」のことで、戦時下に敵国の社名を使うことができなくなり、和名として「日蓄工業株式会社」と改め、通称「ニッチク」と表記したもので…
昨日、大盛況だった「北のパリ祭」。 私は裏方として参加しました。とはいえ、私は舞台関係者ではないので、舞台裏でやらなければならないことは何も分かりません。 ステージの中心を決めるバミ(目印のシール)の貼り方、マイクのコードの巻き方など、ひとつ…