シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。htmt-mth@ezweb.ne.jp

シャンソン酒場peuple ⑥

夏の名残というわけではないが、岩見沢「シャンソン酒場peuple」再訪。 「シャンソン酒場peuple」、8月で38周年を迎えたらしい。だが、それも現在地に移転後のことであって、前住所では15年ほど営業していたというから、合計すれば50年を超える。本当…

ドイツのシャンソン訳詞文化をめぐる冒険

ドイツのシャンソン訳詞文化をめぐる冒険 フランスのシャンソンに自国の言葉で訳詞を作って歌う、というのは日本独自のものかと思いきや、ドイツでも盛んに行われていることが分かった。 きっかけは、引退した某シャンソン歌手とお茶会をしたとき、「ドイツ…

唯文さんのライブ @苫小牧「カプリス」

7月24日、苫小牧のシャンソニエ「カプリス」へ。こちらは、北海道唯一のシャンソニエであり、毎月末には道内外で活躍するシャンソン歌手をゲストとして招いている。 かつて、苫小牧には「ペペ・ル・モコ」というシャンソニエがあった。「ペペ・ル・モコ」が…

シャンソン酒場peuple ⑤

先日、ご機嫌伺いの電話があり、岩見沢「シャンソン酒場peuple」へ。 今回はあまり時間がないので、ウィスキー2杯でお暇をする。いつもは泥酔するまで飲むので、我ながらセーブできて偉い。 とはいえ、今週日曜日の「北のパリ祭」でシャンソンを沢山聴くので…

山本四郎さんのレコード「恋人よ今晩は/青い霧の夜」

シャンソン歌手の故・山本四郎さんのレコードを入手した。 1958年(昭和33年)に発売された「恋人よ今晩は(Gloria Lasso「Buenas noches mi amor」)/青い霧の夜 (Gerhard Wendland「Der weisse Domino」)」のEPである。 これは、ドイツのグラモフォンレコ…

篠原涼子さん「恋はシャンソン」

俳優の篠原涼子さんは、1990年の16歳の時に「東京パフォーマンスドール」というアイドルユニットでデビューした。94年に小室哲哉さんのプロデュースでリリースした「恋しさと せつなさと 心強さと」がヒット。2000年代からはドラマ「アンフェア」「ハケンの…

シャンソン酒場Peupleの記④

5月18日、岩見沢「シャンソン酒場Peuple」へ。このところ、私のアカウントが店の宣伝じみてきている。今年は、シャンソンの調査研究よりも、シャンソンを通じた出会いや発見を大切にする一年になりそうだ。 まずは、ウイスキーロックとジルベール・ベコーを…

グラシェラ・スサーナのフォルクローレ

グラシェラ・スサーナのフォルクローレ グラシェラ・スサーナといえば、「アドロ」「街燈」などのヒット曲を持つが、私はこれらを日本のシャンソン歌手のカバーで知った。それゆえ、スサーナの日本語での歌唱には食指が動かなかった。 最近、アルゼンチン出…

またまた、岩見沢「シャンソン酒場Peuple」へ

随分前のことだが、3月11日に岩見沢「シャンソン酒場Peuple」へ。 前回訪れたときに約束した、フランソワーズ・クシェイダとピエール・バルーのアルバムを流してもらう。 クシェイダのセカンドアルバムは「心の叫び」という仰々しいタイトルだが、同曲はポッ…

高田まさ江様とご門下生のステージ

日帰りの東京旅行で、新宿のシャンソニエ「Kuwa」に伺いました。 この日は、高田まさ江様のご門下の発表会「淑女たちのシャンソン Vol.24」が催されました。ピアニストは、忠平隆様でした。高田様は、有馬泉様のご門下で、シャンソン歌手として長年のキャリ…

蛙たち創業60周年記念コンサート

3月7日、8日に開催された「蛙たち創業60周年記念コンサート」を、万感の思いで観覧した。 銀座のシャンソニエ「蛙たち」は、世の中がコロナ禍の自粛生活を強いられたなか、ライブ配信を始めた。お店を存続させるための鋭意努力を感じるとともに、私が住む…

シャンソン歌手としての佐藤美子

シャンソン歌手としての佐藤美子 佐藤美子さんは、戦前から戦後にかけて声楽家として活躍した。日本人の父とフランス人の母のハーフで、日本で声楽家として大成したのちにフランスに渡りさらに研鑽を積んだ。ビゼーの「カルメン」は彼女の代表的な演目で、「…

松島詩子とシャンソン

松島詩子とシャンソン 朝の連続ドラマ「ブギウギ」の影響で、戦時下の音楽の検閲についての関心が高まっているようだ。ドラマにも登場する淡谷のり子さんが、当時の軍部から猛攻撃を受けたことは有名であろう。その一方で、歌手の松島詩子さんは例外的に検閲…

岩見沢「シャンソン酒場peuple」の記

2023年12月20日1年ぶりに、岩見沢「シャンソン酒場peuple」へ。多分日本で唯一シャンソンのレコードを聴かせてくれるシャンソニエ。 マスターにカトリーヌ・ソバージュのレコードをリクエスト。 そして世間話をしたあとに、リクエストしていないのに、セル…

銀巴里20周年記念コンサートのプログラム

1969年6月5日(木)、サンケイホールにて「銀巴里創立20周年記念シャンソンフェスティバル」なる催事が開かれた。そのプログラムを手にいれたので一日中眺めていたが、ステージの豪華さといったら目を見張るばかりだ。 美輪明宏さん(当時は丸山姓)を筆頭に、宇…

東京新聞、越路吹雪特集

東京新聞1月4日夕刊は、越路吹雪さんの生誕100年の特集。ミュージカル俳優の鹿賀丈史さん、シャンソン歌手の八田朋子さん、ソワレさん、峰が越路さんの魅力を語っております。 取材してくださった共同通信社の女性記者さんは、私と同い年でした。越路さんの…

1982年の「BRUTUS」はフレンチ特集

12月29日はシャンソンの日なので、最近読んだ雑誌を紹介します。 「BRUTUS」1982年8月15日号は、「悦楽のフレンチ・スタイルが気になる」と題した特集が組まれている。パリの観光スポット、ブティック、レストラン、酒場にいたるまで、魅力溢れるカテゴリー…

照井詠三がラジオ番組で取り上げられた!

12月24日(日)午前0時、ラジオ番組「MIDNIGHT POETS 誰も整理してこなかったポエトリー史」(渋谷のラジオ)にて、日本で最初に日本語とフランス語の折衷でシャンソンを歌い、詩の朗読運動を牽引した照井詠三を取り上げてくださった。 出演者の詩人・村田活彦様…

高野圭吾さんの絵画

高野圭吾さんの絵画を手に入れた。 高野さんは、シャンソンの訳詞家にして歌手、そして東郷青児のもとで絵を学んだ画家としても活躍された。 この作品は、高野さんと交流があったシャンソンファンの方が急逝され、ご遺族様やゆかりのあった方々がご相談され…

土岐雄一郎さんと「六味唐辛子」

土岐雄一郎さんと「六味唐辛子」 土岐雄一郎さんといえば、シャンソンのピアニストとして知られている。昨年亡くなった藤田順弘さんが「伴奏は、土岐さんと綾部肇さんが良かった」と語っていたのを思い出す。また、全音楽譜出版社から刊行されている楽譜集『…

蜂鳥あみ太=4号さんのライブを鑑賞

Barタートルヘッズに於ける、蜂鳥あみ太=4号さんのライブを鑑賞した。 退廃美の画家、ピエール・モリニエを彷彿とさせる、全身網タイツ姿でシャンソンを歌う蜂鳥さんのステージに、私はいつもシビれてしまう。それは、蜂鳥さんのパフォーマンスの豊かさゆえ…

悼・山上悦男様

昨日訃報に接した山上悦男さんを、私は舞台照明家として存じ上げていた。本日、『シャンソンマガジン』編集長の山下直樹さんが、山上さんが生前執筆した寄稿文を投稿され、それを通じて氏の経歴を知るに至った。 高校卒業後に、舞台照明の研究生になり、それ…

八田朋子さんのライブに行く

「八田朋子さんのライブに行く」 苫小牧のシャンソニエ「カプリス」にご出演の八田朋子さんのステージを観覧する。 八田さんのステージを観たのは、コロナ禍のさなかに銀座のシャンソニエ「蛙たち」がはじめたライブ配信がきっかけであった。「蛙たち」では…

『シャンソンマガジン 2023年秋号』寄稿

このたび、『シャンソンマガジン 2023年秋号』(歌う!奏でる!プロジェクト)内の、「追悼 堀内環様CD紹介」に寄稿しました。執筆しながら、昨年逝去されたシャンソン歌手・堀内環様の深い魅力を改めて感じた次第です。マガジン付属のプレミアムCDには、堀内…

戦時下のシャンソンのレコード

戦時下のシャンソンのレコード 太平洋戦争中の昭和17年9月、ディック・ミネが、「三根耕一」の日本名でシャンソンのレコードを2枚吹き込んでいたことを知り、驚いた。 ・『巴里の屋根の下/巴里祭』(テイチク.T3363)・『プレジャンの舟唄/マドロスの唄(イ…

花田和子様のステージを観覧

上野「Qui」における、花田和子様とご門下生のステージを観覧する。 先日、花田様は歌手生活60周年を迎えられた。ステージで歌われる花田様を拝見していると、目の前に桜吹雪が舞い散る幻影が脳裏に浮かんでくる。ピンク色の花びらが風に散る様は美しい。そ…

ダミア来日公演の新資料

ダミア来日公演に関わる、新資料を入手した。 シャンソン歌手のダミアは、昭和28年4月28日に来日し、5月3日より東京をはじめとする6都府県で『フランスのシャンソンはダミアとともに』というコンサートツアーを行っている。そして、5月25日から27日にかけて…

『あべっく・る・たん』という雑誌

『あべっく・る・たん』という雑誌 数年前、札幌のシャンソニエには『プチるたん』という冊子が置いてあった。全国のシャンソニエの店名と住所、1ヶ月の出演者のスケジュールが掲載されているもので、これを読みながら当時の私には異国の地だった遠い本州を…

島本弘子様&大平信幸様のライブを観覧

札幌グラウンドホテル「オールド・サルーン」における、島本弘子様と大平信幸様のライブを観覧した。 島本様はサロンの客席を歩きながら登場し、ステージでも高らかに歌い上げられた。この華やかさは、グラスのなかで踊るワインのようだ。島本様のプログラム…

二宮眞知子様のステージを観覧

その方が楽屋からステージに姿を見せたときには、花びらが舞い込んできたと思った。 新宿「シャンパーニュ」における、二宮眞知子様のステージ。赤いワンピースの二宮様は、まさに花であった。二宮様は、ワンステージで5曲ずつ歌われたが、荻窪「リラ」での…