シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。htmt-mth@ezweb.ne.jp

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

森敦「月山」&岸洋子「月の山」

死体のある風景 作家とシャンソン③ ⛰️森敦「月山」作家の森敦は、1912年に長崎で生まれた。作家の横光利一に師事し、太宰治や中原中也らと同人誌を通じて交流をもった。 45年より、妻の故郷である山形県酒田市に住むも、その後は庄内地方を点々とするように…

綾部肇

以前、フランスの作曲家でピアニストのエミール・ステルン(Emile Stern)について調べたことがあった。その際に、「日本のエミール・ステルン」と呼ばれたピアニストがいたことを知った。綾部肇さんという人である。私は、生前の彼がシャンソン関係者に大変慕…

中原美紗緒

私が愛聴するシャンソンのアルバムのなかに、中原美紗緒さんの35周年リサイタルのCDがある。 1991年、銀座ガスホールにおけるライブ盤だが、シャンソン独特のしんみりした楽曲を廃した、華やかで健康的なステージだ。そうしたコンサートはつまらない、と思う…

岸洋子さんのお墓参りetc

先日、岸洋子さんのお墓参りに行ってきました。 岸さんのお墓は札幌にある、というのは、私の中では都市伝説のような話でしたが、霊園の職員さんにも調べていただき、お参りしてきました。 歌碑とかあるのかなー、などと思いながら伺いましたが、本当に一般…

吾が巴里よ(モン・パリ)

日本シャンソンの産声 「モン・パリ」から「パリゼット」まで日本で、シャンソンが歌われ始めたのは、何時のことなのだろう、という疑問がふつふつと沸き上がった。私も誕生日を迎えたことだし、日本におけるシャンソンの誕生日も調べてみようかという、好奇…

パリゼット

日本シャンソンの産声 「モン・パリ」から「パリゼット」まで ②昭和2年の「吾が巴里よ」の盛況により、宝塚歌劇団創設者の小林一三は、演出家の白井鐵造にパリ視察を命じる。 白井は、昭和3年にパリに渡ってレビューの見識を深め、昭和5年に帰国。その帰朝公…

『蛙たちのLe Quatorze Juillet』

こんなにも漆黒に覆われたパリ祭があっただろうか。7月14日はフランス革命記念日で、日本では「パリ祭」と称してシャンソンの催事があちこちで開かれる。 同時に、この日はフランスの男性歌手、レオ・フェレ(Léo Ferré)の命日でもある。フェレは、フランスで…

寺内タケシ

6月18日に亡くなった寺内タケシ。 私は「寺内タケシとブルージーンズ」の「旅姿三人男」が好きで、「お前さん、江戸っ子だってねェ」「神田の生まれよォ」というべらんめぇが聞こえてきそうな軽快な演奏を、夜勤明けの眠気覚ましによく聴いていた。 訃報を機…

北のパリ祭

先日、札幌で催された「北のパリ祭」の圧巻のステージを楽しみました。 この自粛生活のなかで、生でシャンソンを聴ける喜びを噛み締めました。今回は、公演のスタッフとしても関わりました。 出演者の皆様、スタッフの皆様が私を気に掛けてくださり、1つの仕…