シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。htmt-mth@ezweb.ne.jp

2023-01-01から1年間の記事一覧

1982年の「BRUTUS」はフレンチ特集

12月29日はシャンソンの日なので、最近読んだ雑誌を紹介します。 「BRUTUS」1982年8月15日号は、「悦楽のフレンチ・スタイルが気になる」と題した特集が組まれている。パリの観光スポット、ブティック、レストラン、酒場にいたるまで、魅力溢れるカテゴリー…

照井詠三がラジオ番組で取り上げられた!

12月24日(日)午前0時、ラジオ番組「MIDNIGHT POETS 誰も整理してこなかったポエトリー史」(渋谷のラジオ)にて、日本で最初に日本語とフランス語の折衷でシャンソンを歌い、詩の朗読運動を牽引した照井詠三を取り上げてくださった。 出演者の詩人・村田活彦様…

高野圭吾さんの絵画

高野圭吾さんの絵画を手に入れた。 高野さんは、シャンソンの訳詞家にして歌手、そして東郷青児のもとで絵を学んだ画家としても活躍された。 この作品は、高野さんと交流があったシャンソンファンの方が急逝され、ご遺族様やゆかりのあった方々がご相談され…

土岐雄一郎さんと「六味唐辛子」

土岐雄一郎さんと「六味唐辛子」 土岐雄一郎さんといえば、シャンソンのピアニストとして知られている。昨年亡くなった藤田順弘さんが「伴奏は、土岐さんと綾部肇さんが良かった」と語っていたのを思い出す。また、全音楽譜出版社から刊行されている楽譜集『…

蜂鳥あみ太=4号さんのライブを鑑賞

Barタートルヘッズに於ける、蜂鳥あみ太=4号さんのライブを鑑賞した。 退廃美の画家、ピエール・モリニエを彷彿とさせる、全身網タイツ姿でシャンソンを歌う蜂鳥さんのステージに、私はいつもシビれてしまう。それは、蜂鳥さんのパフォーマンスの豊かさゆえ…

悼・山上悦男様

昨日訃報に接した山上悦男さんを、私は舞台照明家として存じ上げていた。本日、『シャンソンマガジン』編集長の山下直樹さんが、山上さんが生前執筆した寄稿文を投稿され、それを通じて氏の経歴を知るに至った。 高校卒業後に、舞台照明の研究生になり、それ…

八田朋子さんのライブに行く

「八田朋子さんのライブに行く」 苫小牧のシャンソニエ「カプリス」にご出演の八田朋子さんのステージを観覧する。 八田さんのステージを観たのは、コロナ禍のさなかに銀座のシャンソニエ「蛙たち」がはじめたライブ配信がきっかけであった。「蛙たち」では…

『シャンソンマガジン 2023年秋号』寄稿

このたび、『シャンソンマガジン 2023年秋号』(歌う!奏でる!プロジェクト)内の、「追悼 堀内環様CD紹介」に寄稿しました。執筆しながら、昨年逝去されたシャンソン歌手・堀内環様の深い魅力を改めて感じた次第です。マガジン付属のプレミアムCDには、堀内…

戦時下のシャンソンのレコード

戦時下のシャンソンのレコード 太平洋戦争中の昭和17年9月、ディック・ミネが、「三根耕一」の日本名でシャンソンのレコードを2枚吹き込んでいたことを知り、驚いた。 ・『巴里の屋根の下/巴里祭』(テイチク.T3363)・『プレジャンの舟唄/マドロスの唄(イ…

花田和子様のステージを観覧

上野「Qui」における、花田和子様とご門下生のステージを観覧する。 先日、花田様は歌手生活60周年を迎えられた。ステージで歌われる花田様を拝見していると、目の前に桜吹雪が舞い散る幻影が脳裏に浮かんでくる。ピンク色の花びらが風に散る様は美しい。そ…

ダミア来日公演の新資料

ダミア来日公演に関わる、新資料を入手した。 シャンソン歌手のダミアは、昭和28年4月28日に来日し、5月3日より東京をはじめとする6都府県で『フランスのシャンソンはダミアとともに』というコンサートツアーを行っている。そして、5月25日から27日にかけて…

『あべっく・る・たん』という雑誌

『あべっく・る・たん』という雑誌 数年前、札幌のシャンソニエには『プチるたん』という冊子が置いてあった。全国のシャンソニエの店名と住所、1ヶ月の出演者のスケジュールが掲載されているもので、これを読みながら当時の私には異国の地だった遠い本州を…

島本弘子様&大平信幸様のライブを観覧

札幌グラウンドホテル「オールド・サルーン」における、島本弘子様と大平信幸様のライブを観覧した。 島本様はサロンの客席を歩きながら登場し、ステージでも高らかに歌い上げられた。この華やかさは、グラスのなかで踊るワインのようだ。島本様のプログラム…

二宮眞知子様のステージを観覧

その方が楽屋からステージに姿を見せたときには、花びらが舞い込んできたと思った。 新宿「シャンパーニュ」における、二宮眞知子様のステージ。赤いワンピースの二宮様は、まさに花であった。二宮様は、ワンステージで5曲ずつ歌われたが、荻窪「リラ」での…

出口美保様のステージを観覧

その方が楽屋からステージに現れたとき、小さなお姿に驚いた。ゆっくりとマイクスタンドまで歩まれ、ピアノにもたれてお顔をあげたとき、その眼光の鋭さに居抜かれた。 大阪ベコーにおける出口美保様のステージを、長年の念願叶って観覧した。出口様のシャン…

日本最初のシャンソンの楽譜集

「日本最初のシャンソンの楽譜集」 日本最初のシャンソンの楽譜集は、昭和13年に倉重瞬輔(舜介)さんが編集した『シャンソン・アルバム』(シンフォニー楽譜)だと言われています。これは、菊村紀彦さんの本『ニッポン・シャンソンの歴史』のなかに、次のように…

なぜ日本のシャンソン歌手は、カンツォーネを歌うのか

「なぜ日本のシャンソン歌手は、カンツォーネを歌うのか」 日本の音楽史のなかで「カンツォーネ元年」を決めるとすれば、1958年(昭和33年)らしい。この年、イタリアの流行歌にしてサンレモ音楽祭の入賞曲「ヴォラーレ」(ドメニコ・モドゥーニョ)が、アメリカ…

中村力と五人の美魔女

2023年3月31日、上野「Qui」にて催された「中村力と「五人の美魔女」」の昼公演を観賞した。なお、槇小奈帆様はご事情があり欠席され、四人の美魔女のステージであった。 強行の日帰り旅行に加えて、突然の飛行機遅延などのトラブルに見舞われ、主催者様にご…