札幌在住の三神恵爾様が発行する個人文芸誌『がいこつ亭 106号』に寄稿しました。
昨年刊行された
浜本正文訳『ボリス・ヴィアン シャンソン全集』(国書刊行会)
の書評です。
ボリス・ヴィアンが遺したシャンソンの歌詞を通読して、彼が「脱走兵」などの反戦詞を手掛けるまでの経過を探りました。
ちなみに、私が一番好きなヴィアンの詞は、アンリ・サルバドールが歌った「歯医者の白衣(ブルース)」です。こちらは、コミカルなシャンソン。
『がいこつ亭』に掲載されている、三神様の「愛国少女のまなざし 田辺聖子『十八歳の日の日記』」は、大変読みごたえがありました。
作家の田辺聖子が、戦時中の軍国教育に染まっていた学生時代の日記を取り上げて、世の中を「疑う心」から文学が生まれることを論じております。
それは、ボリス・ヴィアンのシャンソンにも繋がっているように思いました。