シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。htmt-mth@ezweb.ne.jp

「クミコ×藤澤ノリマサ シャンソンとポップオペラ」

「クミコ×藤澤ノリマサ シャンソンとポップオペラ」
を観に行きました。

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きっかけは、Twitterでクミコさんと知り合って、昨年開催した「高野圭吾展」の広報に多大なお心遣いを頂いたので、感謝を込めていつかコンサートに伺いたいと常々思っていたからです。
クミコさんのCDは持っていますが、生で歌声を聴くのは初めてでした。
シャンソンも歌謡曲も、しっとりと歌い上げる素晴らしいステージでした。

共演の藤澤ノリマサさんは、北海道のSTVラジオで、楽曲を度々聴いていたので、懐かしさを抱きました。
まさに「口からCD音源」、歌唱力の高さを堪能しました。

このコンサートで、私が印象に残った楽曲を紹介します。

クミコさん「百万本のバラ」
貧しい絵描きが片想いを寄せる女優に、百万本のバラを贈るストーリーです。ですが考えてみると、貧しい男が恋を患って、町中のバラを買い漁るというのは、狂気めいています。
クミコさんは、この歌詞にある不穏の種を摘み取りました。シンバルがせわしなく細かく響くなかで、能楽の「もの狂い物」のような世界を描いていきます。
「バラを…バラを…バラヲクダサイ…」

藤澤ノリマサさん「オー・ソレ・ミオ」
ナポリの民謡として有名な楽曲。
藤澤さんは、若々しさに満ち溢れたフレッシュさと、高貴と典雅をもって、高らかに歌い上げられました。
こうした楽曲こそ、藤澤さんの原点であり真骨頂なのでしょう。爽やかなハーブティーの喉越しのような気持ちいいナポリの風が、胸を吹き抜けていきました。