シャンソン歌手の故・石井好子さんの生誕100年を記念するCDアルバム「フランス こどものうた」(キングレコード.2200円)を聴きました。
こちらには、フランスの童謡をはじめ、シャンソンを子供向けの内容の歌詞に仕立てた楽曲が収録されています。
石井好子さんが「歌のおねえさん」のように、子供の目線を意識した歌唱をされているのが印象的です。石井さん自身が手掛けられた訳詞も、平易な言葉や耳に残るフレーズが生かされているのを感じました。
思えば、いまなお歌われているフランスの童謡「クラリネットこわしちゃった」は、石井さんの訳詞なのですよね。
シャンソン歌手としての石井さんを知る方に、このCDアルバムを通じて新たな魅力を知って頂きたいです。
今年の春頃、福島県本宮で遊佐徹さんがパーソナリティーをつとめられているラジオ番組「ドラムでポン!」で、石井さんの童謡が特集されたことがありました。
それを聴いておりましたら、シャンソンなど聴いたことがないはずの私の母が、楽曲を口ずさんでいてびっくりしました。なんでも「フランスの曲とは知らなかったけど、子供の頃に聴いたことがある」とのことでした。
おそらく、子供向けのラジオやテレビ、レコードなどでフランスの童謡を聴く機会があったのだと思います。
この石井さんのCDアルバムは、私の母の世代には懐かしく、お子さんには新鮮に聴くことができると思います。
お子さんに「この曲はね、フランスの子供の歌でね…」と説明するのは難しいかもしれませんが、大人になって「子供の頃に聴いた、あの曲は何だったんだろう?」と思い出すことがあるかもしれません。
音楽の楽しみは、そういったところにあると思います。
日本全国、世代をこえて、広くこのCDアルバムが手元に届きますことを願っております。