シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。

日航ミュージックサロンのプログラム

日航ミュージックサロンのプログラム

戦後のシャンソンの資料を読んでいて、たびたび目にするのは「日航ミュージックサロン」という店の名前である。
かつて、銀座8丁目にあった銀座日航ホテルの地下にあったというライブハウスだ。

 《日航ミュージックサロンは、1959年(昭和34年)に開業したホテルの地下にあり、シャンソンを聞ける銀座の名物スポットだった。その後、バーに改装され、同ホテルも2014年(平成26年)に幕を下ろす》
([時代の証言者]キッチンから幸せ 平野レミ<11> 銀座で歌手デビュー 読売新聞オンライン)

日航ミュージックサロン」は、金子由香利さんや古賀力さんが専属歌手として出演し、平野レミさんはここで歌手デビューしたらしい。
そして、この店に出演する歌手は銀座7丁目にあった「銀巴里」には出演できなかったという話もある。
しかしながら、「日航ミュージックサロン」に関する資料は皆無に等しく、店の内装やどんな営業スタイルだったのかなど、いままで謎であった。

今回「日航ミュージックサロン」のスケジュール表を手に入れたことで、少しだけこの店の在りし日の光景が見えてきた。

このプログラムは、いつのものかは分からない。
しかし、出演者のなかに平野レミさんがおり、彼女は60年代後半の学生時代から専属歌手だったことと、1970年にレコード会社からメジャーデビューしていることを考慮して、1965〜69年頃の物だというのが推測できる。
営業は昼の喫茶、夜のライブハウスという二形態だった。
とはいえ、昼にライブを催している日もある。

ライブはシャンソンがメインで、時々ラテンのステージがあったようだ。
専属バンドは、吉村英世(寿紘)クインテット
時々、寺島尚彦さんや荻原秀樹さんのバンド、ラテンの岸笙司さんのバンドが入っている。

専属の出演者を見てみると、金子由香利さん、仲マサコさん、須美杏子さん、田代美代子さん、大木康子さん、平野レミさん、有馬泉さん、山崎肇さん、古賀力さん、川島弘さんなど、シャンソンのビッグネームが並んでいる。
また古いシャンソンの資料に出てくる、久城千永子さん、真木みのるさん、戸川聡さん、横井公二さんの名前があるのも嬉しい。
ラテンでは、「ルパン三世」の挿入歌を歌った広石吉郎YOSHIRO広石)さん、さらには菅原洋一さんまでいる。
そして、「特別出演」として、淡谷のり子さん、岸洋子さん、ビショップ節子さん、芦野宏さん、宝とも子さんといった、レコード会社に所属するメジャー歌手の名前がある。

それにしても、出演者の組み合わせもウットリする。


淡谷のり子・金子由香利・山崎肇」、「仲マサコ・須美杏子・有馬泉」、「大木康子・田代美代子・横井公二」、「仲マサコ・真木みのる・古賀力」など、語り継がれるべき人選である。

こうして見ると、「日航ミュージックサロン」は「銀巴里」とはまた異なる特色のプログラムを組んだ店だったのが分かる。
この二店が、シャンソンを通じて銀座でしのぎを削っていた時代に、しばし思いを馳せた。