シャンソン愛

峰艶二郎(みね えんじろう)による、シャンソンについて綴るブログです。著書『戦前日本 シャンソン史』(1500円.完売)。htmt-mth@ezweb.ne.jp

高田まさ江様とご門下生のステージ

日帰りの東京旅行で、新宿のシャンソニエ「Kuwa」に伺いました。

この日は、高田まさ江様のご門下の発表会「淑女たちのシャンソン Vol.24」が催されました。
ピアニストは、忠平隆様でした。
高田様は、有馬泉様のご門下で、シャンソン歌手として長年のキャリアをお持ちの方です。
私が以前ラジオ番組を持っていた時、高田様の楽曲のリクエストを受けたことがあり、それがきっかけでメールをやり取りしておりました。
リクエストにお応えする前にラジオ番組が終了してしまいましたが、高田様のシャンソンを聴いてみたいという思いは高まり、今回会場を訪ねました。

高田様は、私のリクエストに応えてくださり、モーリス・ファノン「スカーフ」、レパートリーのなかで力を入れていらっしゃるエディット・ピアフシャンソンから「メア・キュルパ」をご披露くださいました。
高田様は、ステージの上を直立でシャンソンを歌われました。
まさに静の姿勢から歌の世界が創られていきますが、真剣なまなざしをたたえた表情やしなやかな手ぶりが動を生んで、観客を引き込んでいきます。
糸を張りつめたような凛とした雰囲気を醸し出す高田様のシャンソンの魅力に、私は心惹かれたのでした。

今回の発表会はニ部構成で、ご門下生八名が各部でニ曲ずつ歌われました。
発表会のために、おひとりで四曲を仕上げることは大変なことと存じますし、何より曲と曲の合間にMCを一切入れずに歌われることは技術が求められることと思いました。
ご門下生の方の皆様は美しいお衣裳をお召しになり、なかには椅子の背でお体を支えられながら歌われる方もおりました。
皆様がシャンソンカンツォーネに真摯に取り組まれ、高田様のステージで直立されて歌うスタイルを学ばれているのを見ることができ、楽しませていただきました。
また、ご門下生のなかには、フライヤーやチケットの製作、会場でのお給仕など裏方に徹してらっしゃる方もおり、皆様の団結心を感じました。

今回「Kuwa」のスタッフとしていらっしゃった、シャンソン歌手の紫乃路えり様とお会いできたのも嬉しいことでした。
お話ししたときは気づかなかったのですが、ライブの終盤になって、紫乃路様が「日本生まれのシャンソン」というCDアルバムを出された方だったのを思い出しました。
高田様、紫乃路様、ともに出会いとは思いがけないものです。

ライブからの帰り道は、新宿二丁目を歩きながら最寄り駅に向かいました。
男の子同士が一緒に歩いていたり、ハグをしていたり、札幌にはない自由な街の空気を体感しました。


ついでに、最近オープンしたというシャンソン系のお店「Bar VIRTUOSO」(水曜日がシャンソンの日。ゲイの男性のみ入店可。食堂「クイン」跡地)の看板もチェックしました。

東京は、私の感性や情報を刺激する地だと改めて感じたのでした。