札幌在住の三神恵爾さんが発行する個人文芸誌「がいこつ亭 103号」に寄稿いたしました。シャンソンに関する文章二題です。
★「無頼流浪譚 ひがしのひとし×ジョルジュ・ブラッサンス」
関西で活躍したフォークシンガー・ひとしのひとし。彼はフランスのシンガーソングライター、ジョルジュ・ブラッサンスが好きだった。ひがしのが、ブラッサンスからどのような影響を受けたのかを考察する。
★「倶利伽羅天女 大岡信avecジュリエット・グレコ「炎のうた」」
フランスの歌手は、自分のレパートリーを自作する者が大半である。しかし、ジュリエット・グレコは他者が作った楽曲を歌うことに徹した。彼女は、他者の作品を通じて、いかに自己表現をしていたのか。
詩人の大岡信の作品「炎のうた」をグレコが仏語訳したシャンソン「La chanson de flame」を取り上げて、それを考察する。
今回の執筆を通じて、「歌手の自己表現」について考えさせられました。自作の楽曲であれ、カバーソングであれ、それをいかにして自らの心の内に根ざすかということが大切だと思います。これは、「なぜ日本人の私がシャンソンを愛するのか」という長年の問いに帰結します。
誌面には、気鋭ある時評や文学論、映画論が掲載され、背筋が伸びる思いです。また私のページの余白には、三神さんの素晴らしいコラージュが添えられております。そちらもぜひお楽しみ頂きたいです。