久々にSPレコードを買った。
ニッチクレコードから発売された、ドイツの女性歌手、ポーラ・ネグリの「夜のタンゴ」「今日幸せは来ない」。
ニッチクレコードは、コロムビアレコードが、昭和18年~21年にかけて使っていた社名なので、このレコードは戦時中に発売されたものということになる。
戦時中は洋楽が禁じられたが、同盟国のドイツのタンゴは大丈夫だったという話を聞いたことはあったが、まさか戦時下の国内でレコードが発売されていたとは思わなかった。
ちなみにこのレコードは、昭和12年にコロムビアから発売された同名のレコードを再版したものだ。
(品番は共に、J1151)
「夜のタンゴ」は、昭和19年頃まではラジオで流れていたらしい。
さらには、当時の学生たちが「夜のタンゴ」を聴くことが戦時下の抵抗を示す行為であったり、ドイツが降伏した際に「夜のタンゴ」を聞きながら日本の敗戦の予感に涙した人もいたそうだ。
「夜のタンゴ」は、こうした凄まじいエピソードに事欠かない楽曲なのである。
資料としても記憶としても、このレコード盤の価値は重い。
ところで、このニッチクからは何とシャンソンのレコードが発売されていたことも判明した。
現在、全力をあげて調査中である。